Tiz the Lawは父Constitution、母Tizfiz(母父Tiznow)。新型コロナ禍で変則日程となった2020年のアメリカ三冠戦線でベルモントステークス・トラヴァーズステークス(共に米GI)を制し、ケンタッキーダービーは2着だった。現役成績は9戦6勝・2着1回・3着1回。同世代のAuthenticに年度代表馬のタイトルは譲ったが、隙のない戦績を残した馬である。
対象と集計方法
当サイトの血統マスタで父がTiz the Lawとして登録されている馬は6頭。このうち2025年1月から2026年8月までにJRAで出走したのは5頭・41走です。フライトラインやガンランナーの初年度産駒集計とは違い、本馬は2022年生まれの初年度世代がすでに3歳を終え、2023年生まれの2年目世代も走り始めている段階で、母数がひとまわり厚くなっています。
芝はまだ足がかりすらない
| 馬場 | 走 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|
| 芝 | 5 | 0.0 | 20.0 |
| ダート | 36 | 33.3 | 55.6 |
以下、勝率・複勝率はいずれもパーセントで、走数を分母にしています。41走のうち芝は5走しかなく、そのうち3着以内に入ったのは1回だけ。勝ち星はまだありません。対するダートは36走で12勝、複勝率55.6。走数でも成績でも、ダートに大きく偏っています。
父も母父のTiznowも米ダートのGI馬で、血統どおりの傾向が素直に出た形です。
ダートでは3頭がオープン特別まで勝ち上がった
| 馬名 | 性 | これまでの歩み | 直近の成績 |
|---|---|---|---|
| クインズショコラ | 牝 | 新馬3着→未勝利1着→1勝クラス→2勝クラス→3勝クラス→オープン特別 | 三条ステークス1着・三宮ステークス2着 |
| ファムエレガンテ | 牝 | 新馬12着→未勝利1着→1勝クラス→2勝クラス→3勝クラス→オープン特別 | 福島テレビ賞3着 |
| エコロレーヴ | 牡 | 新馬6着→未勝利2着→未勝利1着→1勝クラス1着→オープン特別 | バイオレットステークス1着 |
出走した5頭のうち3頭が、条件戦を勝ち上がってオープン特別まで到達している。クインズショコラは2勝クラス・3勝クラスをいずれも初挑戦で勝ち切り、2026年5月の三条ステークスも制した。エコロレーヴは1勝クラスを勝った次走でオープン特別のバイオレットステークスに挑み、そのまま勝ち切っている。走数の少ない新種牡馬としては早いペースである。
残る2頭のうち、インディゴは8戦して未勝利のまま1勝クラスに足踏みしている。アウトザローも5戦未勝利。オープンまで届いた3頭と、条件戦で伸び悩む2頭の差がはっきり出ている。
牝馬が目立つが、牡馬の主力が伸び悩んでいるだけとも言える
| 性(ダートのみ) | 走 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|
| 牝 | 20 | 40.0 | 65.0 |
| 牡 | 16 | 25.0 | 43.8 |
ダートに限ると、牝馬20走で勝率40.0・複勝率65.0、牡馬16走で勝率25.0・複勝率43.8。オープンまで到達した3頭のうち2頭が牝馬であることとも符合する。ただし牡馬の走数の半分を占めるインディゴが8戦未勝利にとどまっているぶん、牝馬の成績がより際立って見えている面もある。牡馬1頭の出来で動く程度の差であり、性による傾向と言い切るには材料が足りない。
距離は、いまのところ選ばない
| 距離(ダートのみ) | 走 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|
| 〜1400 | 20 | 30.0 | 55.0 |
| 1500-1800 | 16 | 37.5 | 56.3 |
距離帯では大きな差が出ていない。ダートの短距離・中距離のどちらでも複勝率55前後で並んでおり、距離を問わず走れる産駒という見立てが、いまのところ崩れていない。
現時点で言えること
41走という母数はまだ大きくないが、芝でほぼ結果が出ていない点と、ダートでは早い段階からオープン特別まで駒を進める馬が複数出ている点——この2つは現時点でもっとも安定して読み取れる傾向である。牝馬の強さと距離を問わない点については、まだ牡馬1頭の出来に左右される余地があり、母数が増えてから改めて数え直したい。